- 個人事業用の銀行預金口座を開設したいけど、どこがおすすめなのか?
- サラリーマン時代に使っていた口座ではなく新規に作ったほうが良いの?
- 屋号入り口座を検討している
など、これから口座を作ろうと思っている個人事業主へ。
おすすめの銀行口座と屋号入り口座を開設する際の注意点を紹介します。
屋号入り口座に関しては、自身の経験からデメリットだと思ったことをお伝えします。
おすすめ口座については、各金融機関ごとにメリット、デメリットがあるので自分の事業内容に合ったものを作ってください。
個人事業主(フリーランス)が銀行口座を事業用とプライベートで分けるメリット
個人事業主におすすめの銀行口座を探している時点で、新たに口座を開設されようとしているとは思いますが、一応、プライベート用と事業用とで使い分けて新たに作ったほうがいい理由を紹介します。
その理由とは、会計がごちゃごちゃになるから。
個人事業主になったら毎年確定申告が必要になり、お金の流れを把握するのに、事業とは関係ないやり取りが入っていると管理が面倒になります。
例えば、会計ソフトと残高が合わなかったり、何の収入か支出か分からなくなると調べる時間が無駄。
だから、個人事業主用の口座と事業以外の収支に使う口座は分けましょう。
またこれまでサラリーマンの給料振り込みやプライベートで使っていた口座をそのまま使うこともできますが、年の途中から開業すると、それまでのやり取りが残っているので管理が面倒です。
ぜひ事業用で新規に口座は作りましょう。
個人事業主はどこの金融機関で口座を開設すべきか?
個人事業用が銀行預金口座を開設する場合、
- 都市銀行(メガバンク)
- 地方銀行
- 信用金庫
- ネット銀行
の4つがあります。
では、これらのうちどの金融機関で口座を開設したらよいのか?
これに関しては事業する場所など、それぞれの形態によっておすすめが変わってくるので一概には言えません。
以下ではそれぞれのメリットやデメリットを紹介するので、自分にはどれがあっているのか確認してみましょう。
都市銀行(メガバンク)特徴
都市銀行(メガバンク)は、東京三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行といった東京や大阪に本店を置き、全国に支店がある銀行です。
ではどういったメリットがあるのか見ていきましょう。
メリット
メガバンクのメリットは、信用度の高さ。
これだけ大手の銀行ですから、セキュリティや安全面では安心です。
また全国に支店やATMが多いので、使いやすいのもメリットですね。
それと口座を持っている人も多いため、相手も同じ銀行であれば振り込みの手数料が安く済みます。
取引先によっては振込手数料を気にされる方もいるので、取引先がメガバンク口座なら作っておくと相手にとってもメリットです。
デメリット
銀行としての規模が大きく、全国に支店があるといえど、地域によっては一県一支店、またはATMが無い、少ない地域も存在します。
事業拠点に支店やATMがあればいいですが、田舎や地方在住で近隣にない場合はデメリットといえるでしょう。
わたしが住んでいる宮崎県延岡市はみずほ銀行のATMはありますが、東京三菱UFJ銀行はないです。
また個人事業主になると融資を利用することもでてくると思いますが、メガバンクだと少し敷居が高くて難しいです。
融資を受ける際は、地銀や信用金庫、日本政策金融公庫のほうがおすすめです。
こんな個人事業主におすすめ
このことから、メガバンクに口座を作ったほうがいい個人事業主は、都市部もしくは近くに支店やATMがある人。
大手との取引がある人。またネットで仕事をしているフリーランスなど、全国のユーザーを対象にした商売をしている人向きです。
地方銀行の特徴
地方銀行は、名前の通り地方の一定の区域内で営業する銀行のことです。
各県にありますよね。わたしが住む宮崎県だったら宮崎銀行とか宮崎太陽銀行とかです。
メリット
地方銀行のメリットは、住んでいる地域に必ず支店やATMがあること。
田舎でもATMくらいはあるので、お金が引き出せないみたいなことはないです。
また地元の銀行に行くと、相談に来ている中小企業の社長さんや個人事業主の方をよく見かけますが、地域密着型なので担当者との関係を作っておけば、親身に融資の相談に乗ってくれたりします。
デメリット
仕事がネットメインで顧客が全国にいるような人の場合、振込の手数料が高くついてしまいます。
こちらから振り込む場合もそうですし、取引先から振り込んでもらう際もそうです。
あとネットバンキングもありますが、少し使いにくいです。あくまで私が利用している銀行の話ですが。
大手銀行やネット銀行のネットバンキングのシステムよりは、少し遅れているという印象を受けます。
ホームページすら未だにSSL未対応(httpsではなくセキュリティの低いhttpのまま)だったりしますからね。
こんな個人事業主におすすめ
このことから地方銀行の口座をおすすめする個人事業主は、地域メインで活動する人です。
取引先も地元の人メインなら振込手数料が無料もしくは、安く済みます。
また、口座を持つだけでなく定期積金の口座も開設しておくと、融資を受ける際にも有利になります。
地元で活動する個人事業主は、口座を作って担当者との関係も構築しておくと良いでしょう。
信用金庫の特徴
地銀と似ているのが信用金庫。
信用金庫と銀行の違いは、利益第一主義ではなく、地域社会(地元の企業や個人)の利益が優先されるところです。
メリット
信用金庫は住まいの地域にあるので、地元で仕事をする個人事業主にとっては店舗にすぐ行ける、AMTも利用しやすいメリットがあります。
また銀行よりもより親身という印象を受けます。融資の相談なども親身に聞いてくれ、通りやすい感じです。
またわたし個人の話をすると仕事を紹介してもらったこともあります。
地元のいろいろな業種の事業者とつながっているので、紹介など少し入り込んだ関係を作れます。
デメリット
デメリットは地銀と一緒で、仕事がネットメインで顧客が全国にいるような人の場合、振込の手数料が高くついてしまいます。
こちらから振り込む場合もそうですし、取引先から振り込んでもらう際もそうです。
あと地銀と同じで、ネットバンキングが少し使いにくいです。あくまで私が利用している信用金庫の話ですが。
こんな個人事業主におすすめ
地域の人を相手に仕事をする(BtoBでもBtoCでも)個人事業主におすすめです。
地元の事業者を応援してくれるので、関係を構築しておいたほうが良いです。
また取引先も信用金庫の口座を持っていることが多いので、振込の手数料を安くできるというメリットもあります。
ネット銀行の特徴
ネット銀行は、実際の店舗を持たずインターネット上で口座開設からやり取り全てができる銀行です。
メリット
ネット銀行のメリットは手軽さです。パソコンやスマホで「残高照会」や「振込」などの手続きができるため非常に便利ですね。
また金利が高い、手数料が安いのもメリットでしょう。
銀行側は店舗がない分、人件費が費がかからないので、そういったサービスを充実させている所が多いです。
またコンビニのATMが使えるので、基本全国対応しているのも便利です。
あと利用者も多いので、同じ銀行同士だと振込手数料等も安く抑えられますね。
わたしも楽天銀行の口座を持っています。
デメリット
デメリットは店舗がないので、相談やトラブル時はすべて電話やインターネットでのやり取りになります。
地銀や信用金庫と違って対面でのサポートはないので、対応に時間がかかったり、安心面では少し劣りますね。
またすべてネットバンキングで情報を管理するので、IDやパスワードが外部に漏れないよう、紛失しないように気を付けなければなりません。
こんな個人事業主におすすめ
仕事が全国の顧客相手の個人事業主におすすめです。地元メインで働く人には向いていないです。
あと出張が多い個人事業主もいいですね。全国のコンビニでATMが使えるので。
各金融機関のメリットを考慮して口座を開設しよう
- 都市銀行(メガバンク)
- 地方銀行
- 信用金庫
- ネット銀行
それぞれの特徴やメリット、デメリットを紹介しました。
どの金融機関がよいかは、その人の働く場所やスタイルによるので、自分に合ったところで口座を開設すると良いでしょう。
もしネット銀行で口座を開設するなら、金利が高くて、ATM手数料&振込手数料が安いところがおすすめです。
- 楽天銀行
- イオン銀行
- 住信SBIネット銀行
あたりが間違いないでしょう。
また一つに絞る必要もなく、複数持っていても問題は無いので、状況に応じて使い分けてもいいと思います。
わたしも地銀、信用金庫、ネット銀行それぞれの口座を持っています。
それと会計クラウドソフトを使う人は、その銀行が対応しているか確認もしておきましょう。
クラウド会計と銀行口座を連携させておくと、自動で入金や出金管理ができるのですごく便利です。
よっぽどマイナーな銀行でない限り問題はないとは思いますが念のため。
わたしはfreeeと宮崎銀行、延岡信用金庫、楽天銀行を連携させて使っています。
「個人名だけの口座」と「屋号付き口座」どちらを開設したほうがいい?
個人事業主になると個人名だけでなく、屋号をつけることができます。
屋号とは法人でいう所の会社名ですね。株式会社●●の●●の部分。
お花屋●●みたいにお店の名前で付けたり、個人名ではなく屋号で活動する人もいます。
個人事業主になって屋号をつける場合、銀行口座名はどうすればいいのか?
これに関しては、個人名だけでもいいし、屋号+個人名の口座どちらを開設してもいいです。
屋号を入れるメリットとしては、
- 事業口座とすぐわかる
- かっこいい
- 会社っぽくなる(箔が付く)
でしょうか。
帳簿のつけ方などは変わらないので、使い勝手としてはどちらも同じです。
ただ、個人的にはデメリットを感じてやめた経験があるので、それを踏まえて検討してみてください。
もし、屋号入りの口座を開設する場合は、できる銀行とできない銀行があるので確認しておきましょう。
屋号入りが口座が開設できる銀行
屋号入り口座が開設できる銀行は、
- 三菱UFJ銀行
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
- りそな銀行
- ゆうちょ銀行
- 楽天銀行
- ジャパンネット銀行
- GMOあおぞらネット銀行
大手のメガバンクやネット銀行ならだいたいOKです。
地方銀行や信用金庫はそれぞれ地域によって異なるので、開設予定の窓口で相談してみてください。
個人的には屋号入り口座はおすすめしない
わたしが起業したときは、地元の宮崎銀行で屋号入りの口座を開設しました。
口座名は「屋号+代表 個人名」のようになります。なんかかっこいいですよね。
ただ、いまは使っておらず個人名のみの口座に変更しました。その理由は以下のようなデメリットがあるからです。。
引き落としができないクレジットカードがある
個人事業主になると事業用の口座とクレジットカードも用意すると思います。
このクレジットカードによっては、屋号入りの口座から引き落としができない場合があります。
屋号入り=事業用となるので法人用カードじゃないとできないところがあるんです。
個人事業主として利用するクレジットカードは、法人用ではなく個人用のカードで十分だと思います。法人用だと年会費がかかりますし、そんなにメリットは無いので。
クレジットカードに関してはこちらに詳しくまとめているのでご覧ください。
もし、屋号入りの口座を開設するのなら、事前にクレジットカード会社に、その口座から引き落としができるか確認しておきましょう。
ネットバンキングが有料になる
ネットバンキングを利用する人も多いと思うんですが、わたしが利用している宮崎銀行では、「屋号入り口座=事業用」という扱いになるので、いくら個人であってもネットバンキングの利用は有料になると言われました。
個人名だけの口座であれば、やり取りの内容関係なく個人での利用なので、ネットバンキングの利用も無料です。
これは、各銀行の規則があるでしょうから、屋号入り口座を作るならそこも確認しておいたほうが良いでしょう。
まとめ
個人事業主におすすめの銀行口座を紹介しました。
地元メインで働く人なら、地方銀行や信用金庫がおすすめ。都市部に住んでいる人なら都市銀行(メガバンク)もいいですね。
あと仕事の顧客が全国対応だったり、ネットで完結する仕事ならネット銀行がおすすめです。
また銀行口座を開設するときは、屋号入りではなく個人名だけの口座がおすすめです。デメリットは説明した通り。
ぜひ自分にあった銀行を選んでみてください。
起業したいけど何をしていいか分からない
自由な働き方ができるフリーランスに憧れている
このようなへ経験談を書いています。
わたしは30代後半から40代に差し掛かり、これからの働き方に明るい未来を見出せずにいました。
それで転職ではなく脱サラして起業する道を選んだのですが、たくさんの疑問や悩みを相談できる人が周りにいませんでした。
もし身近に話を聞いてくれる経験者がいたらどんなに心強く、そして遠回りをせずに済んだのだろうと思います。
そこで同じような悩みを抱えている人のため、自分の経験を活かせるnoteを書きました。