- 起業したいけどいくら貯金があれば安心なのか?
- まったく貯金がないけど起業できるのか?
- 300万円あるけど起業して大丈夫か?
など、起業するにあたっていくらぐらい貯金が必要なのか知りたい人へ。
独立起業はサラリーマンとは違って金銭的リスクがあります。
そのため貯金があったほうがいいのですが、具体的な金額については事業内容によって異なってくるので自分に事業にいくら必要なのか試算する必要があります。
ここでは、起業に必要な貯金額について、またお金を貯めるのに時間がかかる場合の対処法も紹介します。
起業して経営者になると、どんぶり勘定ではなく、きちんと数字を見て判断する必要があります。
まずはその練習だと思ってきちんと自分の事業と向き合ってみましょう。
まずは起業時にかかる費用と起業後にかかる費用を試算してみよう
まず始めにやるべきことは起業時にかかる費用と起業してからかかる費用(事業費用と生活費)を算出すること。
これを把握せずにいくら貯金すればいいか考えても意味がありません。
だって人それぞれ始める事業も違うし、毎月かかる生活費も違いますからね。
飲食店始める人と自宅が仕事場のWebデザイナーでは、必要な物がそもそも違いますので。
ちなみにIT/Webの仕事で起業したわたしの開業費用は、およそ70万円くらいでした。
- パソコン
- プリンター
- 名刺
- 印鑑など
あまり物が必要ない事業でもこのくらいかかります。
これが仕入れや在庫を必要とする事業ならもっとかかるでしょう。
開業費用についてはこちらの記事に詳しくまとめているので参考にしてください。
開業時にかかる費用とは別にもう一つ必要なのが、毎月かかるランニングコストです。ここもきちんと試算しておかないといけません。
このランニングコストは事業にかかるものと生活費を合わせたものですね。
生活費だと、食費、家賃、子供の保育園代、保険料、ローンなど。
最低毎月いくらかかっているのか家計簿を見直してみましょう。
あと起業して意外と負担が大きいのが、国民健康保険料と国民年金です。
起業1年目に支払うこれらの費用は退職前のサラリーマンの年収をベースに計算するので、高所得の人は特に気を付けたほうが良いです。
ちなみに私の場合、毎月の国民健康保険料と国民年金代を計算したら8万円/月でした。
毎月8万円ってかなりの額ですよね。ここを考えずに起業すると危険なので、こちらも試算しておきましょう。
またこれらを安くする方法もあるので、こちらの記事もあわせてご覧ください。
個人事業主ではなく法人化するならその分の資金も必要
個人事業主(フリーランス)として起業するなら、開業届にはお金はかかりませんので、上記で計算した費用だけで済みますが法人だと別途費用がかかります。
個人事業主として独立開業し、事業が軌道になってから法人化する人がほとんどだとは思いますが、なかにはいきなり法人化して事業を始める人がいるかもしれないので書いておきますね。
法人の場合、法人登記にかかる手数料は、株式会社が30万円~40万円、合同会社が10万円ほどです。
法人化を検討している人は、この費用も貯金額に含めておきましょう。
起業に必要な貯金額はいくら?
起業にかかる費用、起業してから毎月かかる事業費と生活費を試算したら、そこから貯金額を算出してみましょう。
これに関しては、起業してからすぐに収入の見込みがあるのか、売上の見込みがないのかによって変わってきます。
これはわたし個人の考えですが、起業してサラリーマンの給料くらいは稼げる見込みがあるのであれば、初期費用プラス6か月分の運転資金を貯金。
売上が見えていないのであれば、1年間は無収入でも生活できるくらいの貯金が理想だと思います。
例えば、わたしの場合だと、起業にかかる費用が70万円、毎月のランニングコスト(事業費用と生活費)が20万円なら、6か月分で190万円、1年分で310万円となります。
わたしは起業後の売上げの見通しが何もないまま始めたので、1年間無収入でも生活できるように、起業時の費用プラス1年間にかかる費用(事業費と生活費)の300万円を貯めました。
正確にいうと貯金200万円、退職金100万円を合わせて300万円です。
起業に必要な貯金額から起業の時期を逆算してみよう
起業に必要な貯金額を算出したら、毎月いくら貯金できるかで起業時期を計算することができます。
例えば、目標金額が100万円で、毎月10万円貯金できるのであれば、100万円÷10万円=10か月後に起業できます。
しかし、目標金額が300万円で、毎月の給料から5万円しか貯金できないのであれば、300万円÷5万円=60か月後に起業になります。
このケースだと起業までに5年かかりますね。かなり先です。
このように目標とする貯金額によっては時間がかかりすぎる場合があります。
でもそんなに先延ばしできない、もっと早く起業したいという人もいるでしょう。
そんな人はどうすればいいのか?
目標の貯金額を達成するまでかなりの時間がかかる場合の対策
選択肢は3つ。
- 貯金額を達成せずに起業する
- 副業して貯金額を増やす
- 融資を受けてお金を借りる
それぞれのパターンについて具体的に解説します。
貯金額を達成せずに起業する
別に貯金がなくても起業はできます。
しかし、この選択肢はおすすめしません。事業って経営なのでどんぶり勘定ではダメです。
それを起業前からやるようでは先行きが不安ですね。
独身ならまだしも養う家族がいるなら、自分の行動によって路頭に迷わせる可能性があることも認識したほうが良いです。
それでもどうしてもやりたいのなら後戻りできるところまで頑張って、その後どうするかまできちんと決めておいたほうが良いです。
いきなり多額の借金を背負って後戻りできずに自己破産とかなったら大変なので。
毎月必要な売上が6か月未達なら、サラリーマンに戻るとか、軌道に乗るまではアルバイトをかけ持ちするとか、こういったルールを決めておいたほうが良いですね。
奥さんや旦那さんがいる人は夫婦できちんと話し合っておくことをおすすめします。
副業して貯金額を増やす
サラリーマンの給料だけではなかなか貯金が貯まらないという人は副業がおすすめです。
給料だけに頼って節約だけしていてもなかなかお金は貯まりません。
1万円ケチって節約するよりも1万円稼ぐことに注力したほうがよっぽど有意義です。
起業前に自分で稼ぐスキルを身に付ける、意識を持つことも役に立ちますからね。
どんな副業がおすすめなのか?
どんな副業をするにせよ、いまの生活の中に新たに働く時間を加えないといけないので時間の確保が必要になります。
もし残業ばかりのブラック企業で副業する時間すらない、そして今のままでは希望の貯金額を達成するのに時間がかかるのであれば転職も検討したほうが良いでしょう。
いまの会社と変わらない給料で転職できて、副業の時間も確保できるなら、そっちのほうが早く目標達成できますので。
副業に関してはいろいろありますが、即金性ならコンビニや日雇いのアルバイトがいいでしょう。
本業をしながらのアルバイトは体力的もきついですが、確実に貯金ができます。
もし副業禁止の会社であれば、ばれにくいネットを使った副業がおすすめです。
- ブログ・アフィリエイト
- ココナラなどクラウドソーシングでスキルを売る
- せどりなど
ただ、これらの副業は短期間で成果を出すのは難しいので時間はかかると思います。まぁ自分の頑張り次第ですが。
ちなみにわたしは、ブログ副業を始めて1年で本業の給料を超えました。
ブログやアフィリエイトについては教えることができるので、興味がある人はこちらをご覧ください。
融資を受けてお金を借りる
いますぐ起業したい、待てないって人は融資を受けるのも一つの選択肢です。
個人事業主など事業者におすすめの融資先は、日本政策金融公庫です。
事業者向けの資金の支援をしてくれる機関で、金利や融資期間は銀行よりも融通がききます。
日本政策金融公庫で融資を受ける場合、開業資金の3分の1以上の自己資金を用意することが求められます。
例えば、300万円借りたいのであれば、自己資金は100万円必要ということです。
各県に支店があるので相談に行ってみるといいでしょう。
創業支援金や補助金の情報も探しておこう
市役所や商工会議所など住んでいる地域では起業を支援してくれる取り組みを行っている所があります。
わたしが住む宮崎県延岡市では創業に関する相談窓口があり、経営や税金、社員のマネジメントなど創業に関する研修も行っています。
また創業にかかる費用を一部負担してくれる制度もあり、創業資金の2/3(最大100万円)を支援してもらえます。
わたしの場合、創業時に約70万円かかったので、その2/3である約45万円を補助してもらえました。
こういった制度を利用すれば、起業時の金銭的負担を軽減できますし、目標とする貯金額の達成期間も短くできます。
ぜひ起業される地域の創業支援や補助金の情報を探してみてください。
起業は焦らず計画的に
起業して自分で事業を始めてみると、想定外のことが起こったり、意外な出費もあるかもしれません。
わたしも勉強不足で健康保険料や年金の支払いで焦りました。
また、コロナウイルスの流行など想定できない市場の変化が起こる可能性だってあります。
だから、念には念を入れて事前の準備をしっかりすることと、計画通りに収益が得られなかった場合の対策も考えておくことが大切です。
まぁこれも難しい問題で、いつまでも慎重にやっていたのでは先に進まないのも事実なので、思い切って踏ん切りをつける必要はあるんですが、ただ勢いだけで起業するのは危険です。
起業してうまくいく自信があるならいいですが、少しでも不安があるならきちんと必要な経費等を試算して貯金をしておきましょう。
またできれば、いきなり大きく始めるのではなく小さく始めてみるのがおすすめです。
仕事が嫌で脱サラしたいなど、すぐに会社を辞めたい動機の人もいるかもしれません。
しかし、いきなり起業一本でいくと失敗したときのリスクが大きいので、副業で始められるのならそのほうが安心です。
いずれにせよまずは、起業にかかる費用、起業してからの費用(事業費と生活費)を算出して、最低でも起業時の費用プラス起業してからの費用の6か月分は貯金しておいたほうが良いかなと思います。
以上、起業に必要な貯金額についてでした。参考になれば幸いです。
起業で失敗しないためにやるべきではないことをこちらの記事でまとめているので合わせて読んでみてください。
起業したいけど何をしていいか分からない
自由な働き方ができるフリーランスに憧れている
このようなへ経験談を書いています。
わたしは30代後半から40代に差し掛かり、これからの働き方に明るい未来を見出せずにいました。
それで転職ではなく脱サラして起業する道を選んだのですが、たくさんの疑問や悩みを相談できる人が周りにいませんでした。
もし身近に話を聞いてくれる経験者がいたらどんなに心強く、そして遠回りをせずに済んだのだろうと思います。
そこで同じような悩みを抱えている人のため、自分の経験を活かせるnoteを書きました。