- サラリーマンの給料とは別に副業での収入がある
- 副業で顧客が付いてきたので起業したい
それでフリーランスに転身したいけど、年金や保険を自分で払わなきゃいけないのでやっていけるか心配。
脱サラして起業する前にわたしもこの悩みを抱えていました。
実際に月いくらくらい稼げば生活していけるのか気になりますよね。
フリーランスになりたいけどどれくらい収入があればいいか把握していないと、いざサラリーマンを辞めたときに生活が苦しいなんてことになりかねません。
ということで、フリーランスになるにはいったいどれくらい稼ぐ(粗利)必要があるのか紹介します。
フリーランスになるにはサラリーマンの手取りの1.5倍は必要
フリーランスになるにはいったいどれくらい稼げればいいのか?
それは現在のサラリーマンの手取り給料で生活ができていると仮定して、その約1.5倍はないと不安ですね。
例えば、現在の手取り給料が20万円だとしたら、利益として30万円は稼がないと厳しいでしょう。
売上ではなく利益として30万円です。それで現在のサラリーマンとしての生活水準と同じ生活ができるイメージです。
サラリーマンの手取り給料はすべて税金など引かれたもの
会社から毎月銀行口座に振り込まれる給料は税金や年金などすべて引かれたものです。
この手取り給料が自分が自由に使えるお金になりますが、フリーランスの場合、自分が稼いだ利益から自分で税金や年金、健康保険料などを支払わなくてはなりません。
だから手取りの給料分プラス自己負担分を見越して、だいたい1.5倍は稼いでおかないと厳しいということなんです。
だけどフリーランスになるならもっと稼がないと将来が厳しい
フリーランスとしてやっていくには、サラリーマンの手取り給料の1.5倍と言いましたが、それは「今」同じ生活水準を保てるという意味です。
「今」とはどういうことかというと、その金額だけではサラリーマンを続けたときの定年後や老後と同じ暮らしはできないということです。
今は良くても将来は厳しいということ。
サラリーマンは退職金制度もあるし、年金も厚生年金です。
しかし、フリーランスになると退職金を払ってくれる人もいないので自分で貯めなければならないし、年金も国民年金になるので、サラリーマンが加入する厚生年金よりも受け取れる金額が安くなります。
つまり、将来のこともことも考えると、「今」と同じ収入では不安なので、そこもカバーできるくらいの収益を稼がなければならないということです。
フリーランスが自分で支払うお金
フリーランスになるとこれまで会社が代わりに支払ってくれていた税金などを自分で支払わなくてはなりません。
それには以下のようなものがあります。
- 国民健康保険
- 国民年金
- 所得税などの税金
国民健康保険
サラリーマンが給料から天引きされている健康保険って実は会社が半額負担してくれています。
それがフリーランスになると半額負担してくれる会社が自分自身になりますから支払額が増えます。
健康保険から国民健康保険になり、計算方法も違ってくるので、事前にどれくらいの負担額になるか把握しておいたほうが良いです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
国民年金
サラリーマンは厚生年金、フリーランスなどの自営業になると国民年金になり、掛け金や将来もらえる金額も違います。
ちなみにですが、受け取れる金額で言うと、フリーランスの国民年金の平均受給額は5万6,000円、サラリーマンの厚生年金の平均受給額は14万5,000円となっています。
フリーランスだと毎月たった6万円程度しかもらえないんです。この金額だと年金だけで食べていくのは無理ですよね。
この辺も考慮して蓄えをしておく必要があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
税金関係
フリーランスが支払う税金には以下のようなものがあります。
- 所得税
- 住民税
- 個人事業税
- 消費税
条件によっては支払う必要がないものもありますが一応説明しておきますね。
所得税
所得税とは所得(売上から経費を引いた利益)に対してかかる税のことです。
どれくらいかかるのか所得税の速算表があるのでご覧ください。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
例えば、1年間の利益が400万円だった場合、税率は20%で控除額が427,500円となります。
400万円 x 20% - 427,500円 = 372,500円
これが翌年に支払う所得税になります。
フリーランスの場合、今年の収入を確定申告で計算して来年に支払うので。
なので、今年儲かったからといって無駄遣いしてしまうと、翌年支払う税金が高くてきついなんてことになりかねないので注意が必要です。
住民税
住民税の税率は10%です。
- 都道府県の住民税税率・・・4%
- 市区町村の住民税税率・・・6%
所得税とは異なり累進課税ではないので、所得が多かろうが少なかろうが変わりません。
なので、計算はしやすいですね。
それに加えて定額で課税される「均等割」が約5,000円ほどプラスされます。
例えば、所得が400万円なら以下のようになります。
400万円 x 10% + 5,000円 = 405,000円
個人事業税
フリーランスになると個人事業税なるものがかかってきます。
ただし、個人事業税の控除額は年間290万円なので、所得が290万円以下なら課税されません。
個人事業税 =( 年間の所得 − 控除額290万円 )× 税率(3~5%)
税率が3%~5%なのは業種によって異なるからです。
消費税
フリーランスになって注意が必要なのが消費税です。
事業されている方の話を聞くと、この消費税の負担はかなり大きいとのこと。
わたしが顧問契約している税理士さんも消費税の負担は大変だと言っていました。
消費税に関しては、フリーランスになると必ず支払い義務が課せられるわけではなく、2年前の課税対象売上額が1000万円以上の場合に限ります。
この1000万円は利益ではなく売り上げです。
なので、売り上げ1000万円、仕入れが800万円、利益が200万のようにあまり儲かっていなくても支払い義務が発生するので注意が必要です。
また、フリーランスで注意が必要なのがインボイス制度です。
2023年10月1日(令和5年10月1日)よりインボイス制度というものが開始される予定ですが、これにより1000万円いかなくても消費税を支払わなければ取引してもらいにくくなる可能性がでてきます。
ざっくり説明すると、インボイス制度により「仕入税額控除」の要件が「適格請求書」でなければならないとされました。
仕入税額控除とは、売上の消費税から仕入のために支払った消費税を差し引いて計算し、二重課税を防ぐもの。
そして適格請求書を発行できるのは「課税事業者」だけ。
つまり、仕入れをする側は「適格請求書」を発行できる事業者でなければ、仕入税額控除を受けられないので、損をしないために「適格請求書」を選ぶということです。
フリーランスとしては、売り上げが1000万円に満たなくても課税事業者になって消費税を支払っておかないと適格請求書が発行できず、取引先から取引を辞められるということになりかねないのです。
要はインボイス制度によってフリーランスの負担が増える可能性が増えるということですね。
フリーランスは稼がないとサラリーマンのような生活はできない
上記を見てもらうとサラリーマンがどれだけ会社や制度に守られているか分かったと思います。
フリーランスになることは自由を手に入れられる反面、自己責任の部分が大きくなります。
最初にフリーランスになるためには、サラリーマンの手取り給料の1.5倍が必要と書きましたが、それは「今」の生活水準を維持することであって将来の不安を解消するにはもっと稼がなければなりません。
どうでしょうか?
自分には無理、不安な気持ちが大きくなったんじゃないでしょうか。
わたしも同じ気持ちでした。
でも、そのリスクを取ってでも起業した良かったと私は思っています。
時間的な自由、自分のやりたい仕事をできる楽しさ、こういったものはサラリーマンでは得られなかったものです。
一度きりの人生ですから、挑戦しないで後悔するよりやって良かったと思っています。
わたしだって将来のことは分かりません。このまま安定して事業を継続して行ける保証はありませんからね。
それは自分の努力次第だと思います。
フリーランスになりたいのであれば、サラリーマンの給料以上を稼ぐ自信がないことを嘆いているだけでなく、どうやれば稼げるか考えて行動するしかありません。
それが無理ならサラリーマンを続けたほうが良いでしょう。
こちら40代で起業した経験をまとめたので、失敗のリスクを減らしたい人は参考にしてください。
起業したいけど何をしていいか分からない
自由な働き方ができるフリーランスに憧れている
このようなへ経験談を書いています。
わたしは30代後半から40代に差し掛かり、これからの働き方に明るい未来を見出せずにいました。
それで転職ではなく脱サラして起業する道を選んだのですが、たくさんの疑問や悩みを相談できる人が周りにいませんでした。
もし身近に話を聞いてくれる経験者がいたらどんなに心強く、そして遠回りをせずに済んだのだろうと思います。
そこで同じような悩みを抱えている人のため、自分の経験を活かせるnoteを書きました。